近い将来では、燃料電池車と電気自動車のどちらが有望か?
実は、そのどちらでもない。プラグイン・ハイブリッドが有望だ。
ただし、第二世代のプラグイン・ハイブリッドである。
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「燃料電池車と電気自動車のどちらが有望か?」
という話題の記事があった。(朝日・朝刊・特集 2008-06-30 )
そこにある話は、すでによく知られたとおりのことであるから、ここではいちいち繰り返さない。
ただ、燃料電池車と電気自動車のほかに、プラグイン・ハイブリッドも紹介されていた。記事では詳しく述べられていないが、実はこれこそが最も有望である。(「近い将来では」という限定で。実用性の観点から。)
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記事では「電気自動車は最も有望だが、航続距離が問題だ」と記されていた。たしかにその通りで、現状ではせいぜい 200km 弱である。しかも充電に一晩かかる。急速充電の方法もあるが、あくまで一時しのぎであり、本来の方法ではない。
「それでも日常の街乗り用途には問題ない」
と記されている。実際、そうであろう。私もそう考えていたので、これまで、あまり問題視していなかった。
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ただし、よく考えると、航続距離の短さという問題を回避する方法がある。それは、次の方法だ。
「電気モーターを主にして、ガソリンエンジンを補助的に使う。そういう形のハイブリッド」
これは「ハイブリッド型の電気自動車」と言える。
一方、次のものもある。
「ガソリンエンジンを主にして、電気モーターを補助的に併用する。そのことで、ガソリンの燃費効率を高める」
これは、「ハイブリッド型のガソリン自動車」と言える。
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プリウスは、後者のタイプだ。その目的は「ガソリン車の燃費の効率向上」という「省エネ」である。あくまでガソリン車である。
しかし、前者の「ハイブリッド型の電気自動車」は、まったく異なる。これは本来は電気自動車であって、特別な場合にのみガソリンエンジンが併用される。
では、どこが違うんだ? と言われれば、次の点だ。
「ハイブリッド型の電気自動車は、街乗りをするだけならば、ただの電気自動車とまったく変わらない。ガソリン車に比べて1〜2割の費用(電気代)で自動車を動かせるので、非常に経済的だ」
要するに、普通の電気自動車と、ほとんど変わらないのである。街乗りに限れば。
では、普通の電気自動車とまったく同じか? いや、違う点もある。次の点だ。
「補助的にガソリンエンジンを搭載しているので、長距離運転の場合には、ガソリンエンジンを発電機として使う。高速道路を走っているあいだ、たえずガソリンエンジンが発電しているので、たえず充電していることになる。結果的に、長い距離を走行できるので、電気自動車の欠点(航続距離が短いこと)がなくなる」
つまり、「発電機がついている電気自動車」である。
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技術的に言うと、このタイプのハイブリッドは、「パラレル」ではなく「シリアル」である。つまり、エンジンとモーターが「並列」ではなく「直列」である。
その結果、「両方を同時に出力させる」ということはできない。プリウスならば、ガソリンエンジンの出力と電気モーターの出力が足し算されて、大きめの馬力を得ることができる。しかるに、本項のタイプは、ガソリンエンジンは発電機として用いられるだけであるから、出力はあくまでモーターの分だけだ。
その意味で、これは、ほとんど電気自動車なのである。
これは、「発電機つき電気自動車」と言える。
そして、そのようなものこそが、次世代の自動車の本命となるだろう。純粋な電気自動車は、(航続距離の問題点から)次世代自動車の本命となるには、まだ時間がかかるだろう。
( ※ 純粋な電気自動車は、街乗り限定という形で、軽自動車の代替にはなるかもしれないが、しばらくのあいだは、航続距離の欠点が残る。)
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なお、本項で提案された「発電機つき電気自動車」は、現状では「プラグイン・ハイブリッド」と呼ばれるものに相当する。トヨタが開発中の次世代プリウスに近い。
ただし、本項で述べるものは、通常の「プラグイン・ハイブリッド」よりも、もっと「電気自動車らしい」ものだ。
トヨタが開発中のものは、どのようなものであるか、まだはっきりしていないのだが、たぶんシリアルであろう。ただし、電気自動車の技術が未熟であれば、パラレルになるかもしれない。はっきりとしていない。
そこで本項では明白に、次のことを指摘した。
「基本は電気自動車で、ガソリンエンジンは補助的に(発電機として)使うだけ」
「街乗り用途ならば電気自動車と変わらない」
そして、これが次世代の本命になるだろう、というのが本項の見通しだ。
( ※ つまり、燃料電池車でもなく、電気自動車でもなく、通常のハイブリッド車でもない。そのいずれでもないタイプが次世代の本命になるだろう、という見通し。)
[ 付記 ]
トヨタの実験中の次世代プリウス(プラグイン・ハイブリッド)は、現状のプリウスをそのまま転用したものなので、エンジンの出力がかなり大きい。電気モーターと同程度で、それより少し多い。これはどうやら、パラレルタイプであるようだ。
これを「第一世代プラグイン・ハイブリッド」と呼ぼう。
本項で述べたのは、「第二世代プラグイン・ハイブリッド」と呼べる。それは、シリアルタイプである。また、電気モーターの出力がもっと大きくて、エンジンの出力はかなり小さい(30馬力弱ぐらい)。つまり、プリウスのエンジンの3分の1程度。排気量は 500cc 程度。
実は、この程度の出力でも、高速道路を長距離走行することは可能だ。実際、高速道路を運転しているときには、エンジンの出力はあまり高くない。その出力の大半は、空気抵抗に食いつぶされるのだから、長距離走行が重要ならば、空気抵抗を減らす方が手っ取り早い。空気抵抗を減らせば、高速燃費が向上して、長距離走行が可能となる。
( ※ なお、高速道路以外で長距離走行することはない。10時間も街乗りすれば、燃料がなくなる前に、人間が壊れてしまう。)
ともあれ、トヨタの実験中の「第一世代プラグイン・ハイブリッド」のあとには、「第二世代プラグイン・ハイブリッド」があるはずで、それこそが本命であろう、というのが本項の趣旨だ。
「燃料電池車か電気自動車か」なんていう記事を書いている朝日は、ちょっとピンボケなのである。仮に「燃料電池車か電気自動車か」と問われたら、「近い将来にはいずれも普及しない」と答えるしかあるまい。
正しいロードマップは、次の通り。(時間順。時期は大量普及。)
・ ガソリン車
・ ハイブリッド車 (1997年 〜)
・ 第一世代プラグイン・ハイブリッド車(2009年? 〜)
・ 第二世代プラグイン・ハイブリッド車(2011年? 〜)
・ 電気自動車(2015年? 〜)
・ 燃料電池車????? (2050年? 〜)
※ このロードマップを見ると、既存の報道に何が欠けていたかがわかるだろう。そこで、欠けていた部分を埋めるのが、本項の役割だ。
( 燃料電池車が普及する時期は、永遠に来ないかもしれない。この件は、年労電池車について論じた項目を参照。)
[ 付記 ]
「発電機つきの電気自動車に何か意味があるのか?」
と思うかもしれない。実は、ある。それは「効率向上」だ。
通常のエンジンは、加速性能を重視するので、燃費は二の次となる。
一方、発電機つきの電気自動車では、発電機であるエンジンは、常に同じ回転数で回転する定常タイプのエンジンだ。この場合、圧縮比を高めたミラーサイクルエンジンを最適設計することが可能で、燃費は非常に高くなる。同じく 400キロの航続距離でも、必要とする燃料は大幅に少なくて済む。
(ディーゼルだともっと効率が高くなるが、ディーゼルは何しろ価格が高いの難点。小排気量にするのも難しい。)
2008年06月30日
◆ プラグイン・ハイブリッド
posted by 管理人 at 19:33
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| エネルギー・環境1
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