電気自動車は、先のとがった3人乗りであるべきだろう。そうすれば空気抵抗を減らすことができて、高速度の航続距離を伸ばせるからだ。
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前項では、「長距離走行のためには、空気抵抗を減らせばいい」と述べた。(電気自動車またはプラグイン・ハイブリッド車。)
では、どうやって空気抵抗を減らすか? 普通の四輪車では、空気抵抗係数 Cd の値が 0.25 ぐらいが限度である。( → 付記2 )
しかし、この値は大きすぎる。空気抵抗をもっと激減させたい。できれば 0.15 ぐらいをめざしたい。そして、それは、不可能な値ではない。飛行機や新幹線では、このような低い値を実現している。
ただし、飛行機や新幹線は、自動車とはまったく異なる形態をしている。それは「とんがっている」ということだ。
飛行機や新幹線は(上から見たときに)先端が V のような形だが、自動車は先端が 凵 のような形である。(ただし図の下方が先端)
当然ながら V の形は空気抵抗が少なく、 凵 の形は空気抵抗が多い。
参考: → 新幹線の先端部の写真
そこで、自動車もまた、このような V 形の形状をめざせばいい。
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しかしながら、現状の自動車は、そういうことは無理だ。 V 形の形状をめざしたくても、タイヤが四隅にあるので、どうしても 凵 の形状になってしまう。
だが、この問題を解決することができる。それには、先に「ライト・コミューター」で述べたことを参考にすればいい。引用しよう。
「前席は、二つの前輪の間に足を伸ばすようにする。電気自動車ならば、エンジンはないから、それが可能だ。」
つまり、車輪の前の部分(オーバーハング)の中央部を長くする形で、先端をとがった形にすることができる。
といっても、新幹線や飛行機のような極端な形にすることはできず、せいぜい 凵 ではないという程度だが、それでも、 V のような形にすることで、空気抵抗を減らせるだろう。
さらに大きいことがある。3人乗りならば、前面ガラスそのものを V ふうにすることができる、ということだ。
通常の自動車は、前席に二人が乗るので、どうしても前面ガラスの形状が限られてしまう。箱形ふうの車室になってしまう。
しかし、3人乗りならば、車室そのものを V ふうの形にできるから、その分、前面ガラスそのものを V ふうにすることができる。
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以上のことで、空気抵抗を激減させることができる。
このようなデザインは、従来の自動車にはないものだ。画期的なデザインとなるだろう。
従来の自動車は、「車室を広くする」ということを念頭に置いていたから、どうしても前席は二人乗りとなり、その結果、空気抵抗を減らすことができなかった。
しかし、「空気抵抗を減らす」ということを念頭に置けば、前席は一人乗りでいい。大胆な発想の転換をすればいいのだ。
[ 付記1 ]
前席は1人だが、後席には2人または3人が乗れる。
後席に3人なら、後席中央は少し後方にズレる形で設置される。乗員の4名は、正方形ふうに配置されるのでなく、ダイヤ形ふうに配置される。
前席の両脇には、少し隙間ができる。だから後席の左右から、前席の両脇に足を伸ばせる。
後席の中央は、前後を逆向きに装着してもいいだろう。そうすれば、後方に向かって足を伸ばす形になるので、車体全体を流線型にできて、空気抵抗を大幅に減らすことができる。
[ 付記2 ]
冒頭では「先のとがった形」と述べたが、別に、本当に鋭角でとがった形にする必要はない。そんな形だと、スペース効率が悪いし、安全上も好ましくない。
ではそうするかというと、こうだ。
・ 先端はゆるやかな円弧状
・ ボディの立体形状が、中央のふくらんだ形
このうち、後者にポイントがある。……その意味では、「先のとがった形」というのは不適切で、「流線型の形」と述べた方が適切だろう。
ただし、そういう表現だと、従来の箱型との区別がわかりにくいので、とりあえずは冒頭では「先のとがった形」と述べておいた。
( ※ 前から見たときの正面断面図が ∧ 形 だ、と述べた方がよかったかもしれないが。)
( ※ なお、正面の断面図が ∧ 形だと、そのような立体形状の水平断面図は V 形となる。この意味で V 形と述べたのは間違いではない。)
[ 付記3 ]
冒頭付近では「普通の四輪車では、Cd の値が 0.25 ぐらいが限度である」と述べた。
だが、ホンダの次世代燃料電池車 FCX コンセプト では、 Cd が 0.20 である。
ただし、これは前面ガラスがきわめて寝ており、実用性が少ない。また、ボディサイズを大きくして Cd 値を下げているが、これでは前面投影面積が大きくなるので、Cd は小さくても、空気抵抗の絶対値は大きめになる。
普通の実用車では、0.20 はまず無理だろう。
[ 付記4 ]
空気抵抗は時速 100キロでは、自動車の抵抗の大半を占める。(空気抵抗は速度の二乗に比例して増える。)
一方、転がり抵抗もあるが、これは自動車の重量に比例するから、自動車の重量を減らすこともまた、大切である。自動車の重量を減らすことは、低速運転のときの燃費効率に大きく影響する。
[ 付記5 ]
電気自動車の場合、空気抵抗を大幅に減らすための有利な点がある。次の二点だ。
・ エンジンの排気管の床下トンネルが必要ない
・ ラジエータが必要ない。
前者は、ガソリン車でも対策が取られることがある。たとえば GT-R やレクサスでは、床下をなめらかにするためのカバーが着けられる。しかしそれでも、床下トンネルそのものはなくせないので、いくらかは空気抵抗が増える。電気自動車では、その難点がない。
後者は非常に重要だ。ガソリン車では前面にラジエーターの開口部が開いている。GT-R を見ても、大きな開口部がある。これが大きな抵抗となる。また、開口部から空気がエンジンルーム内部でごちゃごちゃとエンジンを冷やしながら流れるので、そこで大きな抵抗をもたらす。(このことはリアエンジン車でも同様だ。ラジエーター周辺でやはり大きな空気抵抗が生じる。)
一方、電気自動車では、その難点がない。充電池がいくらかは発熱するかもしれないが、ガソリン車のように「エネルギーのほとんどが熱になってしまう」ということはないからだ。(ガソリンを燃やしたエネルギーの7割ぐらいは熱になり、残りの3割ぐらいが運動エネルギーになるだけだ。だからガソリン車は莫大な熱を発生する。)
こういうわけで、電気自動車は熱をほとんど発生しないので、ラジエーターが必要なく、ラジエーターを冷やすための空気も必要なく、空気抵抗が生じにくい。原理的には、新幹線と同程度の低い空気抵抗が可能だろう。つまり、ガソリン車の空気抵抗の半分ぐらいにまで、空気抵抗を減らせる。換言すれば、ガソリン車のボディでなく、専用のボディを使えば、それだけで航続距離をほぼ倍増させることができる。(高速道路では。)
[ 付記6 ]
空気抵抗を減らす方法として「サイドミラーをなくす」ということもある。サイドミラーはやたらと空気抵抗を増すのだが、通常の Cd 計測のときにはサイドミラーをはずして計測する。インチキみたいなものですね。
サイドミラーをなくしてしまえば、この問題は解決する。具体的には、次の通り。
「普通のサイドミラーのある位置の室内側に、モニター式のサイドミラーを設置する」
つまり、ダッシュボードの左右両端に、液晶型もモニターを置く。そこにはサイドミラーに投影されるべき映像が見えている。その画像は何かと言えば、ボディの後方の左右両端にあるカメラで撮影されたものだ。
現状では、ケータイカメラなどが大量生産されているから、こういうカメラもかなり安価に作成できるだろう。ただのサイドミラーだってけっこう値が張るのだから、その差があるだけで、別に、超高額というほどでもない。
実を言うと、左右のサイドミラーは必要ない、という気もする。後方を見るためのモニターカメラは1台だけあればよく、左右両方は必要ないだろう。どちらかと言えば、「自動車の後方」ではなくて、「自動車の後席の側方」を見ることの方が必要であり、そのためにサイドミラーを使うことが多い。そして、その目的のためであれば、サイドミラーである必要はない。「自動車近辺の接近物の警報装置」という超音波探知システムがあればいい。これを「自動駐車システム」と結合させれば、結構うまく行く。(付加価値がつくので、金を払う価値がある。)
ここまで考えるとわかるが、「サイドミラー」というのは、もはや時代遅れですらある。それは原始的な方法であり、現代の電子化時代には古びている。こんなものはさっさと取り払った方がいい。だいたい、運転中にサイドミラーを見る、ということが、本質的に危険なのだ。
運転中は、サイドミラーなんか見ないで、運転席近辺にあるモニターだけが見えればいい。今のモニターは、地図情報を映すための専用だが、どうせなら、「インテリジェント・ミラーシステム」というのを併用するといい。次の通り。
「通常は地図情報を映しているが、レーダーまたは超音波のシステムが、自社への接近を感知すると、モニターにその接近物の情報を映す」
たとえば、追い越しのために急に近づいてくる自動車があったら、それを映し出す。それがただの追い越しか、衝突の危険があるかは、ドライバー自身が判断すればいい。とにかく、何らかの接近があった時点で、モニターには自動投影される。……これなら、ずっとサイドミラーを見ているより、はるかに有効だろう。
( ※ サイドミラーに気を取られて、正面の障害物に気づくのが遅れる、という難点がない。視線の移動が少ないからだ。)
( ※ なお、このようなサイドミラー代わりのモニタは、幅広のワイド画面であることが望ましい。通常の地図情報用のモニタとは形状がだいぶ異なる。縦横が 1:3 ぐらいがいいだろう。これならかなり広い視野で監視できる。)
( ※ 何だか話が逸れてしまったが、目的はあくまで「空気抵抗を減らすこと」である。)
[ 付記7 ]
自動車そのものを三輪車にする、というアイデアもあるが、これは実用性がない。というのは、自動車は直進するだけでなく、小回りもするからだ。そのせいで、前輪の周辺には大きな空間(タイヤの稼働領域)が必要となる。それゆえ、三輪車は実用性がない。ほとんど意味がない。
( ※ 昔は「ミゼット」というものがあったが、あれは自動車ではなくて、「自動車とバイクの中間」である。転倒しにくい屋根付きバイク、という位置づけ。一種の安物。)
【 関連サイト 】
→ Volvo 3cc の 説明 ,画像
この Volvo 3cc は、3人乗りの電気自動車。「空気抵抗を減らす電気自動車」というコンセプトは、本項と同じ。ただし、その形状は、後席を2席から1席にしただけで、前席は通常と同じ。これなら、ガソリン車にでもそのまま適用できるし、特に電気自動車に限定されたコンセプトではない。
本項で述べたのは、これとはまったく異なる。「前席が1人乗り」である。そして、それは「全部ボンネットのなかにエンジンが入っていない」という特性をもつ電気自動車でのみ可能になるものだ。
( ※ 「リアエンジン車でも可能だろ」というツッコミがありそうだが、リアエンジン車で同様のことをやれば、3人乗りでなく1人乗りになってしまう。後席部分はエンジンが占めるからだ。しかし、1人乗りなら、バイクにでも乗っていればいいんですよ。 (^^); )
【 関連項目 】
すぐ上の皮肉に答えたわけでもないだろうが、1人乗りの電気自動車というものもすでにある。
→ ライト・コミューター (のうちの追加情報 1,2。)
で、これは実際、(自動車でなく)原付自転車という扱いである。
シャレになっていないや。 (^^);
2008年07月01日
◆ 3人乗り電気自動車
posted by 管理人 at 18:35
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| エネルギー・環境1
→ http://wiredvision.jp/news/200807/2008070722.html
(フォルクスワーゲン「リッター100キロ」車発売へ)