これについて東京大学の研究者が新たな研究成果を発表した。
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記事の概要は、朝日にある。(朝日・朝刊・科学面・ベタ記事 2008-07-18 )
屋久杉の取り込んだ炭素同位体の変化を調べて、次のことが判明した。
・ 中世(10〜13世紀)には、太陽活動が活発だった。
・ それ以後は、太陽活動が少なかった。
・ 近年はふたたび活発になりつつある。
ここから、次のように結論する。
「現代の温暖化は、二酸化炭素など太陽活動以外の要因が影響していることが明らかになった」(横山祐典講師)
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詳しい情報をネットで調べると、次の公式サイトがある。
→ 東京大学大学院理学系研究科(屋久杉)
引用しよう。
「約1100年前の中世の温暖期と呼ばれる時期においては、標準約11年の周期が約9年に短縮していたことが明らかになりました(図4)。このことは、活動度が約11年の現在よりも中世のほうが太陽活動が活発であったことを意味しています。」
「中世温暖期と現代の太陽活動とを比べると、現代の気候はその影響で説明できる以上に温暖化しているようです。人為起源の温暖化ガスの影響によって、気温が自然のサイクルでは説明できないほどに上昇していることを示しています(図5)。 この結果は、昨年発表されたIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第4次評価報告の内容を支持するものとなっています。」
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朝日の記事の方は問題ないのだが、公式サイトの方はちょっと問題がある。
「現在よりも中世のほうが太陽活動が活発であった」
というのはいいのだが、
「IPCC……の内容を支持する」
というのは、ちょっとおかしい。グラフの読み方を間違えている。
「現代の温暖化は、中世のころよりも大きい」
と見なすだけならば、問題はない。しかし、
「現代の温暖化は、炭酸ガスのせいだ」
と見なすのならば、問題がある。グラフはそれを明らかに否定しているからだ。
( ※ このグラフはちょっとインチキがある。黒線と灰色線は、この二つだけがズレているので、無視していい。なのに、無視するべきこの二つばかりが、逆に、やたらと強調された色の線で表示されている。詐欺師の手口。実際にはありえないものばかりを強調する。とにかく、黒線と灰色線は、例外として無視するべき。すると、以下のことがわかる。)
このグラフの明らかにしていることは、次のことだ。
・ 1800年ごろから急激に温暖化が進んでいる。
・ 1950年ごろで、急激な温暖化はストップしている。
・ 1950年ごろから先は、むしろ寒冷化している。
・ 1980年ごろから、寒冷化がストップして、急激に温暖化している。
これらは「温暖化は炭酸ガスの増加のせいだ」という説と、まったく矛盾する。なぜなら、炭酸ガスの事実は、次の通りだからだ。
・ 1800年〜1950年には、人為的な炭酸ガスはほとんど増えていない。
・ 1950年ごろに、人為的な炭酸ガスの増加が始まった。
・ 1950年ごろから先は、炭酸ガスの増加が増加している。
・ 1980年ごろから、炭酸ガスは増加したが急増ではない。
この4項のうち、初めの3項は、先の3項とほぼ矛盾する。4項も、矛盾とは言えないまでも、合致しない。(過剰すぎる。)
だから、「温暖化は炭酸ガスの増加のせいだ」というのは、まったく成立しないのだ。
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グラフから得られる科学的な結論は、次のことだ。
「1800年から地球は温暖化してきたが、それは炭酸ガスの増加とはまったく無関係に生じた」
「1950年から地球の温暖化はストップしたが、それは炭酸ガスの増加とはまったく無関係に生じた」
「1980年から地球の温暖化は急上昇したが、それは炭酸ガスの増加のせいとは言えず、どうしてかは原因不明である」
上記研究の結論では、「近年の地球温暖化は、太陽の変動だけでは説明がつかない」と述べた。ここまではいい。
しかしその先で、「だから人為的な原因があったのだろう」と述べているが、ここはおかしい。「太陽の変動でなければ、人為的な原因がある」と思うのは早計だ。「太陽の変動でなく、他に未知の原因がある」とだけ思った方がいい。その「未知の原因」が炭酸ガスであるかどうかは、不明である。
( ※ 比喩で言うと、容疑者Aは犯人ではないと判明した。だからといって「犯人はBだ。」と決めつけるのは早計だ。犯人はCやDかもしれないからだ。なのに上記研究では、「AではないからBだ。」という論理で、炭酸ガスを犯人に決めつけてしまっている。ほとんど濡れ衣。冤罪ふう。)
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なお、私なりに、結論を下せば、次の通り。
- 1980年以降、急激な温暖化があった。その理由は何か? それは、ただの「揺り戻し」にすぎない。つまり、「いったん急低下したものが元に戻っただけ」にすぎない。なるほど、1980年以降、急激な温暖化があったが、それは、元の水準に比べて急上昇したのではなくて、いったん急降下したものが元の水準に急激に戻っただけのことだ。とすれば、このようなことは、ただの短期的な変動にすぎない。「元に戻ったから大変だ」と大騒ぎするようなことではないのだ。現代の水準ならば、1950年ごろにもあったのだから。
- 1950年以降は、おおむね、温暖な時期である。それは中世のころよりももっと高温な時期である。その意味では、有史以来、最も温暖化した時期だ、と言えなくもない。ただし、その程度は、0.2度ぐらいにすぎない。 0.2度ぐらいの違いは、大騒ぎするほどのことでもない。このくらいの気温変動ならば、数十万年の長期のうちには、ときどき起こっても不思議ではない。紀元以来の人類の歴史は、たったの2000年にすぎない。そのくらいの期間は、長い地球の歴史のなかでは無視できるほど小さい。
- 肝心なのは、1800年以来、ずっと温暖化が続いている、ということだ。その事実だけを理解すればいい。そして、それが炭酸ガスとは無関係に生じているのだ、と正しく判断すればいい。「何でもかんでも人間のせいだ」と思うのは早計だ。特に、「太陽のせいでなければ人間のせいだろう」と即断するような、上記の研究者のような結論は、論理的におかしい。
[ 補足 ]
上記の研究については、私はよく見たわけではないので断言はできないのだが、次の二つを区別していないように思える。
・ 百年ぐらいの長期にわたる変動
・ 十年ぐらいの周期で起こる変動(黒点変動)
どちらも太陽の変動ではあるし、どちらも気象に影響を及ぼすだろうが、別のことである。
今回の研究では、前者だけを見た上で、後者について(なかば)否定している、というふうに見える。
本来ならば、
「前者のことからは、後者のことについては、何も言えない」
となるはずだろう。
中世と現在とを(超長期的に)比べて、「正比例の関係はない」と述べるのはいいが、だからといって「現在の短期的な変動には、太陽の影響はほとんどない」と結論するのは、あまりにも論理が飛躍している。
むしろ、「長期と短期とは別々のことだ」と認識するべきだろう。
( ※ どうも、この分野では、「人間が悪い」という結論をあらかじめ得て、その結論に合わせてメチャクチャに論理を組み立てる人が多すぎる。非科学的。これじゃ、ガリレオの時代の宗教裁判を笑えないね。)
[ 付記 ]
先に、理論的なモデルを示した。( → 気温の非周期変動モデル )
このモデルに従えば、気温の急激な変動の理由となるのは、短期的には「増幅過程」である。実際、1980年ごろに急激な変動があった理由は、こいつだろう。
そして、この急激な変動(1980年ごろの一時的な落ち込み)を無視すれば、1950年から現代にかけて、温暖化はほとんど起こっていない、とわかる。(たとえ炭酸ガスが急激に増加しても、だ。)
たとえば、あなたがしゃがんで、それから立った。それを見た気象学者は、こう主張した。
「この人は急激に身長が伸びた。たったの1秒間で、身長が1メートルから1メートル70に上昇した。これは驚くべき身長の増加である。これは炭酸ガスのせいだ。なぜなら、変動の直後に、急激な炭酸ガスの排出が計測されたからだ。」
馬鹿げている。こういう馬鹿げたことを、気象学者はやからす。
正しくは?
・ 短期的な変動は、身長の変化とは関係ない。
・ 下がってから元に戻ったのは、上がったことにはならない。
・ 何でもかんでも炭酸ガスのせいにするのは非科学的。
こう認識するべきだ。
今回地球温暖化に関する論文を公開した方々は、論文を書いた後に「文章の前後で、論理が系統立って成り立っていること」を判断できないのだと思います。
ちなみに私は、太陽活動の変化こそが、気候変動に与える影響力が最も大きいと思っています。
一応その論理を系統立って説明した記述もアップしておきましたので、よろしければご一読下さいませ。
参照:太陽が気候変化の原因であり、CO2は無関係である
http://blogs.dion.ne.jp/spiraldragon/archives/7376104.html