2008年09月01日

◆ リサイクル詐欺(エコキャップ)

 「リサイクル」という名目で人々から金をふんだくる詐欺がある。しかもこれを天下の朝日新聞が「すばらしい」と推奨して、詐欺に加担している。だまされないようにしよう。

 ──

 これは朝日新聞(朝刊 2008-09-15 )で紹介されたもの。記事の趣旨は次の通り。
 「ペットボトルのキャップをリサイクルして、途上国のワクチンにする。ワクチンひとり分は 20円。ペットボトルのキャップを 1000個ぐらい集めてリサイクルすると、その費用をまかなえる。リサイクルで途上国の援助ができる。すばらしい」

 こう解説して、「皆さん、すばらしいことをやりましょう」とPRする。

 ──

 たったの 20円の金を得るために、人々をして莫大な手間暇をかけさせる。しかも、回収品を送付するために、多額の送料をかけさせる。クロネコヤマトで送れば、最も近県へ最低量でも 740円。人々に 740円を払わせて、20円の数倍程度(たとえば 100円)のキャップ利益を途上国に送る。
 つまり、人々は 740円を払うのだが、そのうちの 640円は消えてしまい、残りの 100円だけが援助に使われる。差額の 640円は詐欺にあったも同然だ。
 このように多額の送料がかかるということは、人々から指摘されているし、そのことは記事でも記述してある。しかしそれでも主宰者は「エコになる」と強弁している。だが、とんでもない。宅急便などでキャップを送付すれば、そのために石油が消費される。そのために消費される石油の量を考えれば、キャップ分の石油のあらかたは消えてしまう。(だからこそ宅急便の価格はかなり高いわけだ。もちろん人件費も込みだが。)

 要するに、全然、エコになっていないし、援助にもなっていない。だったら最初から人々が 100円だけ寄付する方が、よほどマシだ。そのためには、郵便振替でもいいし、切手の送付でもいい。お手軽にしたければ、「24時間地球を救う」などのキャンペーンでコンビニに行って寄付するのでもいい。とにかくコストをかけずに途上国援助する方法はいくらでもある。
 しかるに、上記の方法では、多大な無駄が生じる。
  ・ キャップを送付する宅急便代
  ・ キャップを送付するときの石油
  ・ 莫大な人々の莫大な手間

 つまり、わずか 100円の援助をするために、ものすごい手間と金と資源を浪費しているわけだ。

 ──

 これはほとんど詐欺である。
 ただし、これは純然たる詐欺とは異なる。人々が損をした分は、主宰者のポケットにはいるのではなく、無駄に消えてしまうからだ。金をドブに捨てるのと同じ。(資源の浪費と同様。無駄をしているわけ。)
 では、なぜ、主宰者はこのようなことをするのか?
   → 主宰者団体のホームページ

 実は、これは、主宰者の利益になるのだ。なぜ? 「寄付金」という別ルートによる利益があるからだ。これで儲けている。
   → 主宰者団体の寄付金の収支
 
 しかも、彼らはここで、嘘をついている。寄付金について、
 「ポリオワクチン 44,530人
 と述べている。なるほど、これは計算としては正しい。ただしこれはあくまで机上の計算である。
 「××人」という計算の金は、この金が現実に援助に回されたことを意味しない。現実には、この金の大部分は、事務費になる。つまり、主宰者団体の人件費となる。わかりやすく言えば、主宰者団体の人々のポケットに入る。
(なぜそんなことをするかというと、これは完全に合法的であるからだ。事務費という名称にすれば、詐欺も合法となる。政治献金という名前にすれば、賄賂が合法化されるのと同じ。)

 わかりやすく言おう。
 あなたが詐欺をするとする。「途上国に援助しますよ」と言って、人々から百万円を集める。そのうちの百分の1(1万円)だけを援助に回して、残りの 99万円を自分のポケットに
入れる。ただしその名称は「事務費」「人件費」である。……こうして、あなたは「途上国援助」という名目で、詐欺をすることができる。
 ただし、これをあからさまにやると、批判される。ひょっとすると、逮捕されるかもしれない。そこで、オブラートをかぶせる。99万円を奪うのではなくて、9万円だけを奪う。90万円は送料にしてしまう。そして残りの1万円だけを援助に回す。……こうすれば、無駄の大部分は送料になるから、自分のポケットに入れた9万円は目立たなくなる。
 こうして、「途上国援助」という名目で、詐欺をすることが可能になる。

 ここで、大切なポイントがある。
 90万円の無駄をさせるために、「リサイクル」という名目でだますのだ。
本当は全然リサイクルになっていないし、運送や分別のためのエネルギーの方がリサイクルされるエネルギーよりも多いぐらいなのだが、とにかく、「リサイクル」という名目を使えば、人々はだまされる。そこで、人々に 90万円分の浪費をさせて、1万円分の資源回収を実現させる。( 90対1だから、あまりにも非効率な資源回収だ。資源回収というよりは浪費ですね。)

 で、何でまたそういう無駄なことをするかと言えば、人々をだますためである。「これは善行である」とだますためだ。
 そして、なぜそういうふうにだますのかと言えば、人々から9万円をだまし取るためだ。「事務費」「人件費」という合法的な名目で。

 これが「リサイクル詐欺」である。
 あなたが詐欺をしたければ、リサイクル詐欺をするといいだろう。やればやるほど、資源は浪費されるが、自分だけは儲けることができる。しかも、朝日が「すばらしい善行」と称賛してくれる。

 では、その意味は? 「自分だけがほんのちょっと得をして、社会全体が大損をする」ということだ。たとえば、人々は、キャップを取るということのために、ものすごい手間をかける。人生を奪われる。(「時間泥棒」に時間を奪われるようなものですね。)
 そして、その本質は、「だます」ということだ。ここでは、人々の嫌がることをなすのではない。人々をだますことで、人々を自発的にそうさせるのだ。いわば自殺させるように。そして、そのことで、こっちが儲ける。
 まるで悪魔のようにすばらしい犯罪的行為だ。(悪魔的だから逮捕もされない。)

 [ 余談 ]
 似た詐欺は、街頭募金でもなされている。
 「恵まれない人々のために募金してください」
 と募金箱を首にぶら下げて、人々から募金を得る。そのうちの百円ぐらいを援助に回して、残りの数千円か数万円を自分のポケットに入れる。それでも、ポケットに入れた金は、「事務費」「人件費」という名目にすれば、合法化される。こうして詐欺が可能になる。
( ※ ただし厳密には、これは合法ではない。路上で募金活動をするには、警察から許可を得る必要がある。一方、警察からの許可証なしで、勝手に募金をしている連中は、すべて非合法だ。)
( ※ 同じことでも、路上でやれば非合法だが、ネットでやれば合法だ。それが朝日の記事にある例だ。募金泥棒というのは、ネットでは合法化されている。……ま、Google だって、いくらかは似たようなことをやっているのかもしれないが。そのあたりは、よく考えてみてください。Google は「違うぞ」と怒るかもしれないが、ストリートビューなんてのは非合法スレスレだ。この件は、別項でまた述べる。)



 【 お断り 】
    ( ※ 順序の都合上、本項は日付をずらしました。
        記述は9月01日になっていますが、実際の掲載日付は9月15日です。)




 【 関連項目 】
  リサイクル馬鹿
  省エネの指標は努力か?
  省エネという環境破壊
  古紙リサイクルと利権
  エコ便乗商法 …… 

 ※ このように、同じ穴のムジナはたくさんいる。
 ※ 本項に特によく似ているのは「エコ便乗商法」 だ。
   その後半の 「(2) 有機木綿」では、朝日が本項そっくりの
   デタラメをやらかしている。
 
posted by 管理人 at 17:17 | Comment(1) | エネルギー・環境2
この記事へのコメント
キャップ収集用のBOXを高額で売りつけたりするヤツもいるそうですので注意。
また、割り箸の袋でも同様の詐欺が有る様です。

効率の良さそうなもの
・コンビニで小銭を募金箱に入れる
・郵便局でユニセフ等に送金(確か手数料無料?)
・使用済み切手やカードを教会に寄付

私はどれもやりませんけど...
Posted by 通りがかり at 2008年10月04日 15:36
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