2009年05月13日

◆ リレンザの吸入方法

 インフルエンザ治療薬としては、タミフルよりも、リレンザの方が好ましい。
 そこで、リレンザの吸引方法を示す。メーカー推奨の方法は、あまりお勧めしない。

 ( ※ 本項は私見です。社会的な公式見解ではありません。)


 ──

 本項では、次の二点を示す。(私見)
 (1) タミフルよりも、リレンザの方が好ましい。(患者にとって)
 (2) リレンザの吸引方法は、メーカー推奨の方法は望ましくない。
   むしろ、もっと望ましい方法を使うべきだ。

 この二点について、順々に示す。

 (1) リレンザの方が好ましい

 インフルエンザ治療薬としては、タミフルよりも、リレンザの方が好ましい。リレンザは、使い方はやや面倒だが、薬効としてはずっと優れている。理由は、次の二点。

 (i) 効能

 タミフルよりもリレンザを優先することには、薬理的な合理性がある。服用方法に着目すると、わかる。
 リレンザは、口からの吸引である。そのせいで、口腔に集中して薬剤が行き渡る。
 一方、タミフルは、飲み薬である。そのせいで、全身に薬剤が行き渡る。
 どちらが効果的かは、言うまでもない。インフルエンザ(特にA型)のウイルスは、口腔と鼻腔に集中しているのだ。そこに集中して薬剤を行き渡らせる方が、ずっと効果は高いはずだ。
( ※ 同様のことは、花粉症の患者ならば、わかるだろう。鼻の治療をするには、鼻だけに噴霧する薬の方が、効果的だ。症状が鼻だけであるなら、全身に薬効を及ぼす飲み薬は適さない。)
( ※ 実を言うと、口腔だけでなく、気管や気管支にも行き渡るのだが、記述の便宜上、ここでは「口腔」とだけ記す。)

 (ii) 副作用

 リレンザは、口腔だけに行き渡る薬だから、全身に行き渡ることはない。そのせいだと思うが、副作用はほとんどないらしい。
 タミフルは、飲み薬だから、全身に行き渡る。口腔・鼻腔だけに効けばいいのに、全身に行き渡らせるわけだから、必要もないところに薬が影響して、副作用が出る。
 現実にどういう副作用があるかは、あちこちで情報が知られているから、自分で調べてほしい。
    → Google 検索
 つまり、「吐き気、嘔吐、腹痛、下痢」がある。(さらには、例の「異常行動」という問題もある。これは主に十代だけらしいが。)
 このうち、「吐き気、嘔吐、腹痛、下痢」は、大人でも起こりそうだが、とうてい気楽に許容できるような副作用ではない。「こんなに副作用のあるものは飲みたくない」と私は思う。
( ※ 死ぬほどの副作用ではないが、不快感が強い副作用。風邪を引いた症状と同じような不快な副作用が出る。)
( ※ タミフルの副作用が消化器系に集中していることには、タミフルが飲み薬であることが影響しているのだろう。その意味で、同様の薬を「吸引薬」としたリレンザの方が、患者の利益を考えている、と言えそうだ。飲むやすい方が売れるのだろうが、私としては副作用の少ない方が好きだし、そういう薬を開発した会社の方を称えたい。)

 結論。

 以上の二点(効能と副作用)の観点から、タミフルよりはリレンザの方が好ましい。これは純粋に薬としての評価だ。(飲みやすさは別。)
 現在では、さらに、薬剤耐性の問題がある。季節性インフルエンザについては、タミフルへの薬剤耐性が(かなり)できてしまっている。とすれば、タミフルの効能は大きく減じられる。タミフルはもはや、季節性インフルエンザに対しては、「百害あって一利なし」みたいなものだ。
 というわけで、(季節性インフルエンザには)タミフルは使わない方がいい。「季節性インフルエンザの患者にタミフルを処方するような医者は、ヤブ医者だ」と思った方がよさそうだ。

 (2) リレンザの吸引方法

 リレンザの吸引方法は、口からの吸引である。以下のように。
  ・ 器具に薬をセットして、薬に穴をあける。
  ・ 器具を口に付けて、吸い込む。


 メーカー提供の動画と PDF があるので、これを見るとわかりやすい。
   → 吸入方法 ( 動画 ← お勧め

 同じ動画は、YouTube にもある。



 
 この方法は、メーカー推奨の方法である。もちろん、間違いではない。しかし、薬効を考えると、もっと望ましい方法がある。
 おおむね、上記の通りでいいのだが、最後に次のことを付け足すといい。
 「吸入したあとで、最後に鼻から息を吐く」


 メーカーの吸入方法は、吸入することだけを説明してあり、息を吐くことについては説明していない。動画を見る限りは、口から息を「ふー」と吐いている。ごく普通に。
 しかし、息を吐くときには、口から吐くのでなく、鼻から吐くべきだ。口を閉じて。
 その理由は、こうだ。
 「薬剤を、口腔に行き渡らせるだけでなく、鼻腔にも行き渡らせる」

 これが最も重要なことだ。そもそも、ウイルスは、口腔よりも鼻腔の方に多く存在する。とすれば、鼻腔にあるウイルスを撲滅するために、薬剤を鼻腔に行き渡らせたい。そのためには、口から吸気したあとで、その薬剤入りの空気を鼻腔を通じて吐き出したい。── これが上記の改良法の意図だ。

 [ 参考 ]リレンザの注意点

 本項の趣旨とは関係ないのだが、リレンザの使い方では、次の点に注意するといい。

 (1) 全部使い切る。
 [ 重要! ]
   (治ったようでも、まだウイルスは残っている。撲滅しないと危険。)

 (2) 完全に治るまでには時間がかかる。

   (熱などの重い症状はすぐによくなるが、弱い症状は長く続く。
    薬を飲んでも治りきるまでの日数は1日程度しか短縮しない。
    薬を飲んだからすぐに治る と思うべきでない。勘違いしないこと。)

 (3) 完全に治るまで、ちゃんと安静する。

   (症状が弱まったと思って安静しないでいると、治りにくい。
    治すのは結局は免疫力だから、安静して睡眠を取ることが大事。)

 (4) 免疫力を高めるには、単に安静するだけでなく、睡眠が重要。

   (免疫物質は、睡眠中に分泌される。その意味で、昼寝も重要。)



 [ 付記1 ]
 以上は、「リレンザの望ましい吸引方法」である。(私見)
 これは、メーカーの推奨する方法とは、若干異なる。(息の吐き方。)
 ただ、それはそれとして、患者の側としては、「より有効な服用方法」というのを理解しておくといいだろう。そのことで、薬効が高まり、治療効果が高まる。予防として使うのならば、予防効果が高まるだろう。
 
 [ 付記2 ]
 本項前半の趣旨は、「タミフルよりはリレンザの方がいい」ということだ。あくまで相対的な話だ。
 一方、リレンザを使うべきかどうかというと、私としては、「なるべく使わない方がいいだろう」という立場を取る。理由は、先に述べたとおり。
  → リレンザを飲むべきか? (改)
 第1に、乱用することで、耐性ウイルスの出現を招きやすい。
 第2に、十代の子供については、異常行動を招きやすい。

 [ 付記3 ]
 というわけで、以上の全部をまとめて言えば、次のようになる。
 「できればリレンザを使わない方がいい。個人として使わない方がいいというよりは、社会全体として、社会はリレンザを使わない方がいい。
 ただし、どうしても個人的に使うのであれば、タミフルよりはリレンザの方がいい。また、リレンザを使うときには、服用方法に工夫を凝らすといい」

( ※ 「リレンザを使う」というとき、「使う」とは「器具で吸引する」という意味。)
 
 [ 付記4 ]
 「口腔」「鼻腔」などの「腔」という字の読み方は?
 日常語では「こう」で、医学用語では「くう」である。「腹腔」「胸腔」なども同様。これは医学では習慣的な読み方らしい。
   → http://www5.atpages.jp/motoneuron/?%E8%85%94
 理由はたぶん、「こう」だと「孔」と区別しがたくなるので、混同を避けるためだろう。
( ※ 私見だが、「腹腔鏡」も同様と考えていいだろう。医学専門語では「ふくくうきょう」だが、日常語で使うなら どっちでもいいだろう。「ふくこうきょう と読むのは誤り」と決めつけることはできまい。)


 
  ※ 以下は特に読む必要はありません。鳥インフルエンザとの関係。

 [ 補足 ]
 「鳥インフルエンザの場合はどうか?」という質問があった。
 なるほど、本項は、弱毒型のインフルエンザ(呼吸器に感染するもの)に限定した話だ。鳥インフルエンザ(全身に感染するもの)は、また別の話となる。省略しておいたのだが、ここで質問に回答しておこう。

 結論から言うと、鳥インフルエンザについても、話はおおむね同様だと考えていいだろう。
 タミフルは、鳥インフルエンザにも有効である。リレンザも同様の理由で、鳥インフルエンザに有効であるはずだ。
(ただし一部ではタミフルに耐性を持つ鳥インフルエンザも検出されたという。これは別の話。)
 
 さて。タミフルが鳥インフルエンザに対してリレンザ よりも 有効かどうかだが、私は情報を持ち合わせていない。ただし、私の想像では、以下の通り。
  ・ 全身性という点からして、タミフルの方が リレンザよりも 有効だろう。
  ・ ただし、リレンザも 大部分は気管・気管支の粘膜から吸収されるので、
   リレンザでも(いくらか弱いとはいえ)十分に有効だろう。
  ・ 薬剤の摂取量を「副作用の出る範囲まで」と決めるのならば、
   リレンザの方が多く摂取できるので、リレンザの方が有効かも。
 簡単に言えば、次の通り。
 「薬剤の単位量あたりでは、タミフルの方が有効。ただし、リレンザの方が多くを摂取できるので、総合的にはリレンザの方が有効。ただし多い分、高額」
 以上はあくまで推定。しかも、鳥インフルエンザに限った話だ。当面、無視していい。
 



 【 参考サイト 】

  → 口腔と鼻腔の図
    ( 解剖図みたいなもの。医学でなく、発声のページ。)
posted by 管理人 at 19:34 | Comment(3) |  インフルエンザ このエントリーをはてなブックマークに追加
この記事へのコメント
 最後に [ 補足 ] を加筆しました。
 また、あちこちを部分的に修正しました。

 タイムスタンプは 下記 ↓
Posted by 管理人 at 2009年05月13日 22:03
すごく納得です。ありがとうございました。
Posted by k at 2009年10月29日 20:37
吸入後2〜3秒息をこらえてから吐き出すと
成分のほとんどが呼気中へ出ないので、鼻から
吐き出しても鼻腔へ薬剤を回すことが難しいようです。
Posted by ちょっとだけ at 2013年01月23日 11:16
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