2008年05月29日

◆ 有機EL照明

 有機EL照明が実用化される見込み。LED照明の対抗馬。
 だが、むしろ、「電球形蛍光灯」にとってかわるもの、と言えるだろう。

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 まずは、ニュース。
 三菱重工業やロームなどが28日、合弁会社を設立した。09年春から試験的に製造・販売を始める。事業化のメドが立てば 11年から量産する計画だ。 15センチ角で1枚数万円という価格は、量産時には5千円以下に引き下げることをめざす。
( → 朝日新聞 2008-05-29 )
  同日の記者会見では、約15センチ角サイズのサンプル品を公開。すでに「輝度などについて実用レベルに達している」(重永副事業本部長)という。
( → FujiSankei Business i. 2008-05-29 )

 これは十分に見込みがある。現在市販されている照明用のLEDは、器具込みで2万円程度。
 こんなに高価格なのは「量産化」されていないからだ。たぶん手作り同然だろう。
 一方、有機EL照明の方は、(記事によると)来年には「試験的に製造・販売を始める」ということだし、 「 11年から量産する」ということだ。とすると、まさしく量産化が実現することになる。そうなると、半導体技術の常で、急激に価格低下も起こりそうだ。

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 照明用の半導体というと、これまではLEDが主流だったが、LEDはちょっと過剰品質のところがある。自動車のヘッドランプに使うこともあるが、そんなに頑丈でなくてもいい。照明用のランプなんて、切れたら取り替えればいいのだから、もっとペラペラの安っぽいものでもいいのだ。コストの低下こそが重要だ。となると、有機ELは、将来の主役になりそうだ。
 前に「電球形蛍光灯」の項目で、「将来の照明はLED」と記したが、その見込みは少しはずれて、「将来の照明は有機EL」となりそうだ。

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 なお、「有機ELが蛍光灯に取って代わるか」と言うと、それはちょっと難しいと思う。
 まず、効率で言うと、蛍光灯の発光効率は非常に高く、これを有機ELが乗り越えることは、ちょっと難しいだろう。
( ※ 原理的に考えると、蛍光灯も有機ELも、どちらも「ルミネッセンス」である。有機ELのELというのは「エレクトロ・ルミネッセンス」のこと。有機ELはせいぜい同程度ぐらいにしかならない。現状では、蛍光灯に劣る。)
 また、価格では、遠い将来はともかく、近い将来では蛍光灯にはなかなか追いつけまい。何しろ蛍光灯は、安いやつだと一本百円でも売っているぐらいなんだから。

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 一方、「有機ELが電球形蛍光灯に取って代わるか」と言うと、それは容易だろう。当初は価格ゆえの困難があるが、将来的には乗り越えることが可能だ。
 電球形蛍光灯との対比で利点を上げると、次の通り。
  ・ 電球形蛍光灯と違って、すぐに点灯する。
  ・ 電球形蛍光灯と違って、色味が自由自在。
  ・ 電球形蛍光灯と違って、インバータ回路の内臓が不要。

 特に、最後の点からして、地球環境に優しい。「買い換えるたびに、毎度毎度、照明装置本体を(使い捨て方式で)捨てる」という無駄をしなくて済むからだ。

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 また、次の利点もある。
 「特に電球形にこだわらなければ、電球ソケットに差し込む形で、まったく別のタイプの照明器具を使える」

 有機ELは非常に軽い。(ガラスを使わないからだ。)この利点を利用して、まったく新しいタイプの照明器具を作ることができる。たとえば、次の形状。
  ・ 平らな板状(円形や六角形や星形の平面)
  ・ 波形に凸凹する平面
  ・ 美術的なオブジェの幾何学的形状
  ・ 複数の色合いを含むステンドガラスふう

 このような照明器具を作ることができる。しかも、照明装置本体とランプ部分を分離することも可能だろう。次のように。

  《  白熱電球  》  [ソケット]─[白熱電球]
  《電球形蛍光灯》  [ソケット]─[装置 | 蛍光ランプ]
  《  有機 EL  》  [ソケット]─[装置]─[有機EL]

 白熱電球や電球形蛍光灯では、ソケットの先がまるごと交換される。
 有機ELでは、ソケットの先に装置がつけられ、その先の有機ELだけが交換される。この場合、装置は交換されないから、無駄がない。
 こういうことが可能なのは、有機ELの「装置」というものが、ごくシンプルだからだ。ただの「アダプター」か「ソケット」(取り付け口)のようなものであるにすぎない。そこには電球形蛍光灯のような複雑なインバータ回路は含まれない。

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 なお、「有機ELがすぐさま白熱電球に取って代わるか」と言うと、それは容易ではあるまい。何しろ白熱電球は1個百円ぐらいだ。トイレのような用途では、これで十分である。将来はともかく、今すぐ代役になることは無理だ。
 とはいえ、リビング照明のような用途では、有機ELは有効だろう。

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 結論。
 「有機ELは、非常に有望である。5年後ぐらいには、かなり普及していくだろう。放っておいても、どんどん普及していくだろう。」
 「一方、電球形蛍光灯は、馬鹿げている。白熱電球からの交換を、全国民に強制するほどの意義はない。どっちみち、白熱電球から有機ELへの交換が自然に進むのだから、あえて電球形蛍光灯を推進する必要はない。
 「ただし、現状でも、常時点灯する用途では、白熱電球から電球形蛍光灯への交換を推進する意義はある。強制でなければ。」
 


 【 関連項目 】
  → 白熱電球の廃止
  → 電球形蛍光灯の嘘
 
posted by 管理人 at 19:40 | Comment(0) | エネルギー・環境1
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